飲食店や惣菜店などで使われている業務用食品容器はその多くが使い捨てを前提にしています。使い捨てにされるのは衛生管理上の問題もありますが、複数回の使用に対応できるほどの強度がないためです。一般的な食品容器は陶器やガラス、金属など比較的丈夫な素材で作られています。一方で業務用は安価なプラスチック樹脂や厚紙で作られているため、何度も使うと変形や破損が生じてしまうのです。

プラスチックで作られている一般的な食器もありますが、このような食器は強度が向上されているので何度も使うことができます。業務用食品容器は量産ができるよう、強度よりもコスト削減を優先して作られているのが特徴と言えるでしょう。業務用食品容器はその多くが画一的なデザインですが、これは短時間での量産を可能にするためです。似たようなデザインであれば製造時の調整に手間がかからず、不具合が生じてもすぐに修正が可能です。

大きさが異なる容器でもおかずの仕切り部分が似たデザインになっているのはこのためです。また、画一的なデザインはおかずなどを盛り付ける際、量が均等になるメリットもあります。人の手による盛り付けはどうしても誤差が生じてしまいますが、容器の仕切りが同じ形であれば誤差が小さくなるので極端な違いにはなりません。一般的な家庭用の容器では人によって量に違いが生じてしまいます。

しかし、誰が扱っても大きな不具合が生じないことが、業務用食品容器ならではのメリットと言えるでしょう。